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製品安全データシート

032112

硝酸

製造者
会社名 : 株式会社 樋江井商店
住所 : 《本 社》〒462-0844 愛知県名古屋市北区清水3丁目 13-24
《営業所》〒480-0134 愛知県丹羽郡大口町豊田3丁目 264
担当部署 : 営業部
担当者(作成) : 樋江井 正博
TEL : 0587-95-4777
FAX : 0587-95-2738
作成・改訂 : 2007/2/1
充填製造者及び販売者
会社名 : 株式会社 内藤商店
郵便番号 : 460-0002
住所 : 名古屋市中区丸の内3丁目8番3号
担当部署 : 製造部
TEL : 052-962-5551
FAX : 052-961-5901
緊急連絡先 : 052-962-5551
受付時間 : 月曜日〜金曜日 8:00−17:00
改訂 : 2007/2/1
MSDS a@: MSDS-032112

製品名(化学名・商品名等) : 希硝酸

組成、成分情報
単一製品・混合物の区分 : 単一商品
化学名又は一般名 : 硝酸
成分及び含有量 : 10〜67.5%(W/W)
化学式又は構造式 : HNO3
官報公示整理番号: 化審法・安衛法:(1)−394
CAS No.: 7697−37−2
危険有害性の要約
物理的及び化学的危険性 : 硝酸自体の引火性、発火性はないが強い酸化性あり、硫化水素、リン化水素、よう化水素、カーバイド、二硫化炭素、アミン類、ヒドラジン類などと接触すると、発火又は爆発する事がある。のこくず、木片、紙、布等の可燃物に接触すると、自然発火することがある。他の薬品と容易に反応するため、容器内圧の上昇による破裂、突沸をおこすことがある。
有害性 : 中程度の急性毒性(劇物)がある。皮膚に触れた場合は薬傷を起こし、目に入ると失明の危険がある。加熱すると、有害なヒュームやガスを発生し、これを吸入すると咽喉や呼吸器の粘膜をおかし、歯の腐食や肺水腫を起こす危険がある。
環境影響 : 酸性溶液である為、水棲生物に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。
分類の名称 : 急性毒性物質、腐食性物質
応急処置
吸入した場合 : 窒素酸化物ガスで、中毒した徴候があれば、直ちに新鮮な空気の場所に移す。呼吸停止の場合、直ちに呼気の吹き込み、又は器具による人工呼吸、又は酸素吸入を行い、速やかに医師の診断を受ける。
皮膚に付着した場合 : 直ちに汚染された衣装や靴などを脱がせて、速やかに付着部を多量の水で十分に洗い流し、薬傷があれば医師の診断を受ける。
目に入った場合 : 直ちに多量の水道水(流水)で15分間以上洗浄し、速やかに眼科医の診断を受ける。
飲み込んだ場合 : 牛乳または酸化マグネシウムを水に分散させたものを徐々に飲ませ、速やかに医師の診断を受ける。
火災時の処置
消火剤 : 大量注水、炭酸ガス、泡消火器
特定の消火方法 :
(周辺火災の場合)  
消火作業は風下から、適切な保護具を着用して行う。周辺火災の場合は、直ちに容器を安全な場所に移動する。不可能な場合は、散水冷却によって、容器の温度上昇を防ぐ。
特定の消火方法 :
(着火した場合)  
有機物に接触して発火した場合は、水、泡又は炭酸ガス等の消火剤を用いて消火する。火に包まれると有害な窒素酸化物のガス(NOx)を発生するので消火作業には必ず保護具を着用する。
漏出時の処置
人体に対する注意事項 : 作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
除去方法 : 漏洩した液が少量の場合、土砂などに吸着させて取り除くか、又はある程度水で除々に希釈したあと、消石灰、ソーダ灰などで中和し、多量の水を用いて洗い流す。漏洩した液が多量の場合は、土砂などでその流れを止め、これに吸着させるか、又は安全な場所に導いて、遠くから除々に注水してある程度希釈したあと、消石灰、ソーダ灰などで中和し、多量の水を用いて洗い流す。発生するガスは霧状の水をかけて吸収させる。この場合、濃厚な廃液が河川などに排出されないように注意する。
二次災害の防止策 : 風下の人を避難させる。必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。漏出した場所の周辺にはロープを張るなどして、関係者以外の立ち入りを禁止する。
取り扱い及び保管
取り扱い : 可燃物、有機物と接触させない。高濃度の場合、水と急激に接触すると多量の熱を発生し、酸が飛散することがある。直接中和剤を散布すると発熱し、酸が飛散することがある。それ自体NO2を含有し、可燃物、有機物と接触するとNO2を発生するので注意する。
適切な保管条件 : 容器は直射日光を避け、冷暗所に貯蔵し、密栓して、空気との接触を避ける。その他「毒物及び劇物取締法」などの法令に定めるところに従う。
暴露防止及び保護措値
設備対策 蒸気発生源は密閉化するか、又は局所排気装置を設置する。取り扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示する。
管理濃度 設定されていない
許容濃度
日本産業衛生学会(1982) : TLV-TWA 硝酸として 2ppm=5.2 mg/m3
ACGIH(1976) : TLV-TWA 硝酸として 2ppm= 5.2 mg/m3
STEL 硝酸として 4ppm=10.0 mg/m3
OSHA(1993) : TLV-TWA 硝酸として 2ppm= 5.0 mg/m3
保護具 安全帽
保護眼鏡(ゴーグル、全面型)
呼吸保護具(酸性ガス用防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器ライフゼム)
保護服(耐酸性)
保護手袋(耐酸性)
保護靴(耐酸性ゴム長靴)
物理的及び化学的性質
物理的状態
形  状 : 無色又は淡黄色の液体、強い刺激臭がある
沸  点 : 62% 122℃、67.5% 122.2℃
融  点 : 62%  -38℃、67.5%    -33℃
蒸気圧 : 62%   − 、67.5%  9.0mmHg(at25℃)
比  重 :
HNO3(wt%) 10.00 20.00 30.00 40.00 50.00 62.00 67.41
d(20/4℃) 1.054 1.115 1.180 1.246 1.310 1.377 1.400
引火点 : 不燃性
発火点 : 不燃性
爆発特性 : 該当しない
安定性及び反応性
反応性 : 硝酸自体は不燃性であるが、多くの有機物(アセトン、酢酸、無水酢酸等)と非常に激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。大部分の金属を腐食して窒素酸化物を生成する。アルカリ類とも反応する。多くのゴム、プラスチックに対して化学反応を及ぼす。ガラス及びテフロンは容器として耐久性がある。
有害性情報
急性毒性

蒸気、液体ともに、眼、皮膚、気道に対し強い刺激性を有する。皮膚に付着した場合、重度の薬傷を起こす。眼に入った場合、粘膜を激しく刺激し、失明する事がある。蒸気を吸入した場合、咽喉、気管支が侵される。多量に吸入した場合、24〜48時間後に肺水腫を起こすことがある。

吸入 : ラット  LC50 67ppm/1H
経口 : 極少量で消化器炎症(火傷)

人では12ppm(30mg/m3)程度まではさしたる障害はないが、それを起こすと、眼、鼻、咽喉、呼吸器、皮膚に腐食作用を示し、吸入により肺炎を起こす。

環境影響情報
分解性 : 未設定
生態蓄積性 : 未設定
生態毒性 : 魚毒性 :  
水棲生物   LD50 10〜100mg/L 96時間
魚類   致死量 25〜36mg/L
コイ   LC50 78ppm 48時間
廃棄上の注意
廃棄の方法
法令で定める技術上の基準に従わなければ廃棄してはならない。(毒物及び劇物取締法15条の2)
廃棄の方法(中和法)
徐々に石灰乳などの攪拌溶液に加えて中和させたのち、多量の水で希釈して処理する。廃棄処理に伴う生成物については、水質汚濁防止法など関連諸法令に適合するよう十分に注意しなければならない。
運送上の注意
国連分類 : クラス8(腐食性物質)等級U
国連番号 : 2031
国内規制
輸送の特定の安全対策:
及び条件  
燃焼性物質、有機物との混載は禁止する。輸送上の注意としては、毒物及び劇物取締法にかかわる運搬に関する規制がある。運搬する場合には、飛散し、漏れ、流出、又はしみ出る事を防ぐのに必要な処置を講じなければならない。(毒物及び劇物取締法第11条)5トン以上を車両により運搬する場合には、その運搬方法は毒物及び劇物取締法第40条の5に示す基準に適合すること。厚生省令で定める距離をこえて運搬する場合には、車両1台について運転者のほか交代して運転するもの、又は助手を同乗させる事。車両には、0.3メートル平方の板に地を黒字、文字を白色として「毒」と表示した標識を掲げること。車両には保護具(防毒マスク、保護手袋、保護長靴、保護服、保護眼鏡、イエローカード)を2人分以上備えなければならない。
適用法令
労働安全衛生法 : MSDS対象物質
特化則 特定化学物質等(第3類物質)
安衛規 腐食性物質
施行令 別表9 307
労働安全特化則 : 特定化学物質(第3類物質)
労働安全安衛則 : 腐食性液体
毒物及び劇物取締法 : 第2条別表第2 劇物
(硝酸及びこれを含有する製剤。ただし濃度10%以下を含有するものを除く)
消防法 : 該当しない
船舶安全法 : 危険物船舶運送及び貯蔵規制 腐食性物質
航空法 : 施工規則第194条 危険物告示別表第11 腐食性物質
海洋汚染防止法 : 施行令別表第1 有害液体物質(C類)
PRTR法 : 該当しない
その他の情報
記載内容の取り扱い

記載内容は現時点で入手できる資料、情報、データに基づいて作成しておりますが、含有量、物理化学的性質、危険・有害性などに関しては、いかなる保証をなすものではありません。また、注意事項は通常の取り扱いを対象にしたものですので、特殊な取り扱いの場合には、用途・用法に適した安全対策を実施の上、ご利用ください。

引用文献

・後藤ら編:「産業中毒便覧」医歯薬出版(1982)
・G.ホンメル編:「危険物ハンドブック1」Spring-Verlag Tokyo(1992)
・日本産業衛生学会:産業医学、33、277-318(1997)
・ACGIH:「Threshold Limit Values for Chemical Substances and Physical Agents and Biological Exposure Indices」(1997)
・OSHA:Federal register,54,2332-2983(1989)
・E.L.Gray et al:Am.Med.Assoc.Ind.Hyg.,10,418-422(1954)

記載内容の問い合わせ先
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