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 【 簡単!化学のお話 その1 】
化学・・・と聞くと難しいと考えられる方も多いと思います。でも実は算数と一緒で1+1は2である事が分かれば簡単な事です。勿論奥深く勉強するとそれはそれは難しくて我々では手の出ない学問になってしまいますが、化学の基礎(原子がどうとか分子がどうとかの基礎化学理論は省きます)を知って頂く事は薬品の安全な使用に繋がりますので是非頭の片隅にでも置いて頂けましたら幸いです。
【 化学記号 】
化学物質には化学記号があります。この化学記号は元素記号を組み合わせた物です。この化学記号は+と−のイオンを持つ物が結合して一つの化学物質を作っています。ほとんどの場合は+と−でしか反応しません。主に『金属』と呼ばれる元素は+イオンであり、−イオンを持つ物と反応して化学物質を作ります。特に『酸』と『アルカリ』との反応でできる物質を『えん塩(えん)』と呼びます。勿論、食塩である塩化ナトリウムも『塩(えん)』の一種です。反応式は
となります。もっと詳しくすれば
  
の+と−同士がくっつくのです。
 したがって水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と塩酸を反応させると塩化ナトリウム(食塩)と水ができるのです。ちょうど中和できるようにするにはそれぞれ1molずつを反応させれば良いのですが、これは後々にご説明させて頂きます。危険な薬品である苛性ソーダと塩酸から食用ともなる塩化ナトリウムができるとは不思議なものですね。この場合の NaClはリトマス試験紙では中性を示します。これは強いアルカリである苛性ソーダと強い酸である塩酸との反応によるものです。一般に生成物がアルカリ性になるか酸性になるかはそれぞれのアルカリ、酸の強弱に左右されます。
 ここでは+と−が反応する事を覚えて下さい。これは薬品を中和する時に大切な事です。酸を中和するにはアルカリを、アルカリを中和するには酸を用いれば良い事がお分かり頂けると思います。どれだけの量を用いるかは前述のモルによる換算で算出しますが
 
のように片方が2倍量必要な場合もありますのでご注意下さい。

【 メチル、エチル、その他 】
 メチル・・・とかエチル・・・とかの名前を聞かれた事も多いと思います。このメチル、エチルと言うのは次のような構造になっています。
 
 と呼びます。アルコールはアルコール基を持つものですからそれぞれの後に OH をつけたものが
 
 となります。特にエチルアルコールはエタノールとも呼ばれ我々の飲んでいるお酒の成分です。又、メチルアルコールはメタノールとも呼ばれ、実験で使ったアルコールランプの中に入れたアルコールです。このメタノールは劇物指定となっており、多量に飲用すると失明したり死に至ったりします。この炭素(C)の数が増えるにつれて名前も変化します。(ブチル基、オクチル基など)ここでは一般的なメチル基やエチル基を覚えて頂くと良いでしょう。

【 オルト−、メタ−、パラ−について 】
 良く聞くものに『パラジクロルベンゼン』一般にはパラゾールとも言われ防虫剤として使われている物がありますが、この『パラ−』とは何でしょうか。これは亀の甲と言われている『ベンゼン環』にどのように元素がくっついているかを表すものです。
 ベンゼン環は一般には六角形で表示されています。
 
ベンゼン環の@の位置とAのお隣同士の位置にくっついた物が『オルト』、@とBの位置に付いた物が『メタ』そして@とCのように対角線に付いたものが『パラ』と呼ばれます。
 
のようにベンゼン環の対角線に2つの塩素基が付いた物が『パラジクロルベンゼン』です。この『ジ』と言うのは Clが2つ を意味します。一つならば『モノ』、3つは『トリ』です。これで良く聞く『パラ』の意味と位置がお解り頂けたと思います。
 
 次回は違った視点から化学薬品を見てみます。ご期待下さい。
 



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